神戸が初タイトル獲得。実を結び始めた大型補強が生む好循環

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 木鋪虎雄●撮影 photo by Kishiku Torao

天皇杯で優勝してクラブ初のタイトルを獲得した神戸天皇杯で優勝してクラブ初のタイトルを獲得した神戸 新装なった国立競技場で初めての天皇杯決勝が行なわれ、ヴィッセル神戸が鹿島アントラーズを2-0で下し、初優勝を果たした。神戸にとっては、クラブ初のタイトル獲得である。

 今季途中からチームを率いたトルステン・フィンク監督が語る。

「このクラブは25年目になるが、初タイトルを取れたことを誇りに思う。サポーターも多くいるし、神戸の街にとってもすごくいいことだと思う。新しい国立競技場の初の公式戦で勝てた。私はこの歴史的瞬間を一生忘れない」

 初戴冠を彩るにふさわしい試合だった。

 1993年のJリーグ誕生以降、20冠という最も多くのタイトルを手にしてきた鹿島に対し、神戸は無冠。経験、実績の差は明らかだったが、序盤から試合を支配したのは、神戸だった。

 フィンク監督が「前半はすごくよかった。我々が思うようなプレーができ、いい時間に点が取れたものよかった」と言えば、鹿島の大岩剛監督も「前半の非常に苦しい試合内容がすべてだった」。ボールを保持して試合を進める神戸は、キャプテンのMFアンドレス・イニエスタを中心にDFラインから的確にパスをつなぎ、次々とチャンスを作り出した。

 ゴールに関しては、確かにラッキーな面もあった。1点目はFWルーカス・ポドルスキのクロスはGKにはじかれたにもかかわらず、それが相手DFに当たってゴールインしたオウンゴール。2点目にしてもDF西大伍のクロスを相手DFが処理に誤り、そらしたボールがFW藤本憲明に当たってゴールに転がったものだった。

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