2019.12.17

青森山田、選手権連覇へ吉兆。
最強・名古屋を下しユース年代の頂点に

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki

 12月15日、埼玉スタジアムで高円宮杯U-18サッカープレミアリーグ2019ファイナル(以下、高円宮杯ファイナル)が行なわれ、プレミアリーグEAST王者の青森山田が、同WEST王者の名古屋グランパスU-18を3-2で下し、3年ぶり2度目の栄冠を手にした。

 3年前の2016年大会は、スコアレスのまま延長戦でも勝負がつかず、PK戦決着での優勝。つまり、公式記録上の試合結果は引き分けだったのだから、青森山田にとっては初めて立つ、正真正銘の頂点と言っていいだろう。

高円宮杯U-18プレミアリーグ2019ファイナルを制した青森山田 決戦を前に、下馬評が高かったのは、WEST王者のほうだった。

 名古屋は今季、日本クラブユース選手権、Jユースカップと、すでにふたつの全国タイトルを獲得。「シーズン当初、選手たち自身が”三冠”を目標に決め、ここまで高めてきた」(名古屋U-18・古賀聡監督)というチームは、目標達成まで、残すは高円宮杯ファイナルだけとなっていた。

 名古屋が、プレミアリーグWESTの全18試合で奪ったゴール数は52。1試合平均でほぼ3点を叩き出す攻撃力は抜群で、昨季の高校選手権王者であろうとも、名古屋の”三冠”を阻止するのは難しいかに思われた。

 しかし、青森山田は強かった。というより、したたかだった、と言ったほうがいいかもしれない。

「試合前の準備として、名古屋の攻撃力をリスペクトしながら臨んだのがポイントだった」

 チームを率いる黒田剛監督が、会心の勝利をそう振り返ったように、青森山田は、中盤ではボール保持者へ力強く体を寄せることで、名古屋のパスワークに制限をかけ、ゴール前までボールを運ばれたとしても、最後は確実にシュートコースを消す守備で、試合を自らのペースに引き込んだ。

 そして、前半12分に、青森山田の”お家芸”であるロングスローから首尾よく先制点を奪うと、27分には、右サイドで奪ったボールを左サイドの広いスペースへ展開し、クロスから追加点。名古屋の古賀監督は「警戒していた相手の最短最速の攻撃(カウンターやリスタート)に後手を踏み、準備が間に合わない状況が数多く生まれ、そこで失点した」と嘆いたが、青森山田にしてみれば、まさにしてやったりの試合展開だった。