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鳥栖が戦術変更で敗戦もギリ残留。金監督「クラブは変わっていくべき」 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by KYODO

 精神的に切迫した戦いだった。無念と安心と高揚を、どこかで持て余していた。

「開幕10試合はナシ。そう考えると、(順位も)真ん中くらいですかね!」

 豊田はそう言って、小さな笑みを洩らした。

 今シーズンの鳥栖は序盤、Jリーグ史上ワーストの部類に入ると言ってもいいルイス・カレーラス監督体制での躓(つまず)きがあった。選手が目に見えて下手になるほどの体たらくで、1勝1分け8敗と、何の希望も見えなかった。

 後任を任された金監督は、「選手のよさを生かす」という戦い方を志向。相手のやり方を研究し尽くし、練習で落とし込み、相手を凌駕できるようになった。フェルナンド・トーレスのようなスーパースターも先発から外すことで、正当な競争も取り戻した。

 その結果、得失点差でのギリギリの残留につながったのだ。

 スクランブルで挑んだ最終戦は、敗れた。綻びも明らかだった。しかし巻き返した戦いで、救われたとも言える。

「残留したからいいわけではありません。(来季に向けて)クラブは変わっていかないと」

 金監督の言葉である。

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