2019.12.08

湘南は「らしさ」を取り戻せるか。
J1参入プレーオフ出場へ

  • 渡辺達也●文 text by Watanabe Tatsuya
  • photo by KYODO

 J1リーグ最終節。松本山雅が湘南ベルマーレをホームに迎えた。

 前節のガンバ大阪戦に敗れ、すでにJ2降格が決まっている松本にプレッシャーはない。最終戦の勝利をサポーターに届けるだけ、という気持ちだろう。一方、16位の湘南にとっては、勝てば無条件でJ1残留が決まる大一番だ。

最終戦で松本山雅と引き分け、下を向く湘南ベルマーレの選手たち 試合は湘南が立ち上がりからチャンスを作った。前半2分、齊藤未月が積極的な守備からチャンスを作り、自らシュートを放つが、左にそれる。前半5分には右からのクロスに山田直輝がフリーでヘディングシュートを打つが、これはミスに終わった。

 湘南が試合の主導権を握るものの、決定機を最初に作ったのは松本だった。前半28分、左サイドで得たフリーキック。トリックプレーから、最後は高橋諒がシュートを打つが、ボールはポストを叩いた。その後は徐々に松本がゲームをコントロールするようになり、前半を0-0で折り返す。

 後半に入ると、湘南は山田に代えて長身の指宿洋史を投入。それでも主導権を握ったのは松本だった。後半15分に、藤田息吹の縦パスを受けた町田也真人がシュート。後半23分には岩上祐三がミドルシュートを狙うなど、完全に松本ペースとなった。

 そんな中、残留争いを繰り広げている清水エスパルス対サガン鳥栖戦で清水が先制。その情報が入ったのか、湘南のベンチが慌ただしくなる。この試合で残留を決めるためには勝たなくてはならない。湘南は後半30分に松田天馬に代え中川寛斗を、さらに後半38分には山崎凌吾に代えて野田隆之介を投入し勝負に出る。

 だが、先に決定機を作ったのは松本だった。後半39分、GKのパスを町田がカットするとゴール前でフリーになった永井龍にパス。湘南は永井のシュートミスに助けられた。すると後半40分のことだった。岡本拓也の右からのクロスに、中央で金子大毅が潰れると、ファーサイドにいた野田がシュートを決め、ついに湘南が先制した。

 試合はこのまま湘南が勝ち、J1残留を決めるかと思われた。ところが後半45分、松本は町田の右からのクロスを飯田真輝がヘッドで落とすと、途中出場の阪野豊史が押し込み、同点に追いついた。試合はそのまま引き分けに終わり、湘南の参入プレーオフ出場が決まった。