アジアでも無双。Fリーグ王者・
名古屋オーシャンズが覇権争いをリード (2ページ目)
名古屋の快進撃は止まらなかった。続く準々決勝のバモスFC(インドネシア)戦では、引いた相手に苦しめられるも3-1で勝利。準決勝ではここまで大会通算7得点を挙げていた日本代表FP清水和也(※期限付き移籍で今大会に参加)を擁するタイ・ソンナム(ベトナム)も3-1で破った。この試合まで全試合でゴールを挙げていた清水が、「名古屋の圧力にやられた」と話すほど、チームとしての名古屋の完成度は高まっていた。
決勝は、メス・サンガンとの再戦。この試合は、アジアのフットサル界をリードしてきたイランと日本の対戦としても注目された。過去15回開催されたAFCフットサル選手権(アジア選手権)では、イランが12回、日本が3回とこの2カ国以外は優勝経験がない。直近4大会の結果では、イランが2度、日本が2度優勝しており、近年の両国の力は拮抗している。
また、6月にイランのタブリーズで開催された第2回AFCU-20フットサル選手権では、U-20日本代表がU-20イラン代表を準決勝で破り、初優勝を果たした。そして、今大会のグループステージで名古屋がメス・サンガンに勝ったことで、イランを代表しているメス・サンガンにとっては、国の威信をかけた試合となっていた。
メス・サンガンの監督は「私たちはグループステージの対戦ですべてのカードを切ったわけではない」と、決勝に向けて秘策があることを匂わせていた。しかし、ふたを開けてみれば、最前線にいるアジア最高のピヴォであるイラン代表FPジャビッドにボールを集める彼らの戦いぶりに大きな変化はなく、決勝でも名古屋が試合の主導権を握り続けた。
名古屋は前半7分に、右サイドでドリブルを仕掛けたFP水谷颯真がチャンスをつくると、パスを受けた平田ネト アントニオ マサノリがGKをかわしてシュートを決める。この試合を最後にポルトガルのクラブへ移籍する平田の先制弾でリードを得た名古屋は、その後もメス・サンガンに攻撃の形をつくらせず、GK関口優志が活躍する機会もほとんどなかった。後半、メス・サンガンの攻撃をしのいだ名古屋は、安藤良平がボレーシュートを決めて点差を広げると、今大会初めての無失点ゲームで3大会ぶり4度目の優勝に花を添えた。
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