スタジアムに足を運ぶ幸せを届けたい!
ガンバ大阪が試みる集客戦略 (4ページ目)
そうした『集客マーケティング』をもとに、クラブが取り組んだのが"逆算のプランニング"だ。
どういう人が、どんな頻度でスタジアムに訪れているのかが個人単位でわかるようになったことで、そこから逆算して、さまざまな施策を実施。たとえば、これまでホームゲームの前に一括で送信していた試合観戦の案内メールも、来場頻度や対象に応じて内容を変えるなど、細部まで工夫を施しながら、分散化を図り、一人ひとりの顧客にダイレクトに響く働きかけを行なうようになった。
その成果として見られるのが、メールの開封率だ。通常、一般的にダイレクトメールの開封率は5%に満たないと言われており、場合によっては1%以下になっても不思議ではないとされている。にもかかわらず、ガンバのそれは、なんと30%を示しているそうだ。前出のパナソニック担当者も驚きを隠せない。
「ガンバファンのみなさんは、本当に熱心で、それぞれにクラブへの思いを持っていらっしゃるのでしょう。ダイレクトメールの開封率は約30%と驚異の数字を叩き出しています。このことからも、それだけたくさんの方がガンバから届くメールを楽しみに待っていらっしゃる、ということが想像できます。
であるならば、その内容のところでより楽しみを増すような告知を展開できれば、当然それは集客にもつながっていくだろう、と。それを踏まえて5月の『ガンバファミリーランド』における『働く車 大集合!』の際も、できるだけたくさんの子どもさんに楽しんでいただきたいと、メールの内容も子ども向けを意識した書き方になるよう工夫しました。それがイコール、3万人につながったとは言いませんが、少なからずそうした働きかけの効果は、入場者数の年齢層の分布からも間違いなくあったと思っています」
それらの試みの中で、より意識したのが、データマーケティングにおける効果が実証されている"3回の法則"だ。
データマーケティングの世界では、ガンバ大阪に限らず、どのクラブでも、またネットショッピングなどにおいても、年に3回スタジアムや同じサイトで買い物をした人は、翌年もリピーターになる確率が非常に高いという定説がある。ガンバ大阪もその部分を意識して"逆算のプランニング"に取り組んでいると言う。
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