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スタジアムに足を運ぶ幸せを届けたい!
ガンバ大阪が試みる集客戦略 (2ページ目)

  • 高村美砂●取材・文 text by Takamura Misa

 思えば、新スタジアムが始動した2016年は、スタジアムそのものへの興味もあって、平均入場者数が一気に上昇。前ホームスタジアムの万博記念競技場における2015年度の平均入場者数1万5999人を1万人近くも上回る、2万5342人が新スタジアムに来場したが、2017年、2018年は、毎年約1000人ずつ減少する傾向に。その状況に歯止めをかけようと、スタートしたのが、クラブが一丸となって取り組む、さまざまな集客の"仕掛け"だ。先頭に立つ、ガンバ大阪顧客創造部部長の山崎美枝氏は言う。

「2014年にチームが三冠(リーグ、リーグカップ、天皇杯)を獲得したこともあり、万博でのラストシーズンとなった2015年は比較的、集客をしやすいシーズンでした。その流れもあり、また新スタジアムへの興味もあって2016年は、前年度から1万人近く平均入場者数が伸びたのだと思います。ですが、2017年、2018年はその数字が年々、下降線をたどり、明らかに"新スタジアム効果"の薄れを感じていました。

 これをなんとかしなければいけない、という思いで昨年スタートしたのが、スタジアムに来ていただいたお客様に、試合以外の楽しさを提供するイベントの企画でした。もちろん、ご来場いただく方の楽しみは"試合"にあると思いますが、お客様の中には、ともすれば2時間半も前からスタジアムに到着してくださっている方もいらっしゃいます。にもかかわらず、お恥ずかしい話、新スタジアムができた当初は、私たちクラブスタッフもキャパが一気に大きくなったスタジアムを運営していくのが精一杯で、試合以外の楽しみは『飲食店』くらいしか提供できていませんでした。

 ですが、"新スタジアム効果"の薄れを感じた時に『このままではいけない』とクラブ内に危機感が芽生え、昨年から本格的に改革に乗り出しました。そこで、これまではチケットやファンクラブ、ホームタウンなど業務ごとに縦割りで集約を行なっていたさまざまな施策の見直しを図り、クラブ全体が横の連携を強めたうえで、より多くの方にスタジアムにご来場いただき、楽しんでもらえるようなイベントを考えようという話になりました」

 とはいえ「最初はただイベントを企画するだけでした」と苦笑いを浮かべるのは、前出の竹井氏だ。試合前イベントは先頭に立って企画してきたものの、昨年は"企画し、実行する"ことで精一杯だったと振り返る。

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