2018.12.28

サンフレッチェひと筋22年。引退した
森﨑和幸の歩みはクラブの歴史だ

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

森﨑和幸インタビュー@前編

 サンフレッチェ広島ひと筋でプレーしたMF森﨑和幸がユニフォームを脱いだ。プロになってから19年、ユースから数えれば22年をサンフレッチェとともに歩んできた。

 現・日本代表監督である森保一のもと、クラブ史上初となる2012年のJ1初優勝を皮切りに、3度のリーグ優勝を達成したチームの中盤には、いつも森﨑がいた。そのバンディエラは、いかにして稀代のボランチへと成長していったのか。それはすなわち、サンフレッチェというクラブの歴史でもある――。

引退した森﨑和幸に現役時代の思い出の数々を振り返ってもらった―― 19年間に及ぶプロサッカー選手としてのキャリアを終えた今の心境はどうですか?

森﨑和幸(以下:森﨑) 実はまだ、現役を引退した実感がないんですよね(苦笑)。それは他のチームメイトと一緒に、オフに入ったこともあると思います。おそらく、そうした感情が沸いてくるのは、来年になってチームが始動したときや、キャンプインしたときに感じるのかなと思います。

―― 11月24日のホーム最終戦(J1第33節/名古屋グランパス戦)では引退セレモニーがありました。あらためて、そのときの思いを聞かせてください。

森﨑 僕が見えていたところだけでなく、知らないところでも、僕のためにいろいろな人たちが動いてくれていたことを知り、本当にありがたかったです。引退会見を開いてもらったこともそうですけど、体調不良(※)で休んでいたときには、自分の言葉で挨拶することはできないと思っていました。だから、ホーム最終戦で、サポーターの前でスピーチさせてもらえたことは本当に幸せでした。

※これまでたびたびオーバートレーニング症候群や慢性疲労症候群を発症。今シーズン開幕前に5度目となる同症状で長期離脱していた。

―― それで終わりではありませんでしたね。シーズン最終戦となったJ1第34節では今季初先発を飾りました。しかも対戦相手は、恩師でもあるミハイロ・ペトロヴィッチ監督が率いる北海道コンサドーレ札幌でした。

森﨑 考えれば考えるほど、作ろうと思っても作れない話ですよね。さすがにそこには運命を感じました。