39歳GK南雄太は、「永遠のような
失点のループ」に耐えて進み続ける
短期集中連載・昇格と降格のはざまで戦った男たち(1)~南雄太(横浜FC)
「この負け方だと、涙も出ないですよ」
12月2日、横浜。試合後、ミックスゾーンに出てきた彼は、引きずっていたスーツケースを止めて言った。どうにか笑みを絞り出したのは、プロフェッショナルの意地か。しかし、滲む苦みで顔は強張っていた。
1998年、柏レイソルに入団すると、彼はすぐにポジションをつかんでいる。18歳でスタメンを張るGKなど、ほとんどいない。以来、21年間、Jリーグでゴールマウスを守って、酸いも甘いも噛み分けてきた。
しかし、夢の列車を乗り逃した直後、整理できない感情の蜂起が行き場をなくしているようだった。
「これもサッカーっすね」
39歳になるGKは、大きな身体を折り曲げ、少し視線を落として言い、混乱する心を呪文のような言葉で封じ込めた――。
J1参入プレーオフ2回戦で東京ヴェルディに敗れた横浜FCの南雄太 横浜FCのGK、南雄太は今シーズン、J1昇格を懸けて戦っている。J2で3位と躍進したチームに守護神として貢献し、J1参入プレーオフに出場。2回戦で東京ヴェルディと戦うが、0-0で迎えた後半、アディショナルタイム6分で敗れ去っている。
ドローなら勝ち上がれる条件のもと、あと60秒、守り切ればよかった。東京VのCKから相手GKにヘディングシュートを打ち込まれ、南の右手が反応してどうにか弾いたが、こぼれ球をFWに押し込まれた。無情な結末だった。
1 / 4