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難病を発症したFC岐阜前社長が語る、
東京五輪へ向けた真のバリアフリー  (4ページ目)

  • 恩田聖敬●文 text by Onda Satoshi

 2020年、東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。そこには、世界中の健常者と障害者が集まるはずです。現在どのような準備が進められているかわかりませんが、是非とも障害者を含めて当事者の声を聞いて欲しいと思います。そして、少なくとも、競技場に指定されている施設では、全ての競技者及び観客が、安全・安心に過ごせる環境を整えて欲しいと思います。日本が「バリアフリー後進国」の烙印を押されないことを願いながら、筆を置きたいと思います。

株式会社まんまる笑店
代表取締役社長
恩田聖敬

FC岐阜・恩田社長の600日 ~Jリーグ地域クラブへの伝言~

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【Profile】
恩田聖敬(おんだ・さとし)
1978年生まれ。岐阜県出身。Jリーグ・FC岐阜の社長に史上最年少の35歳で就任。現場主義を掲げ、チーム再建に尽力。就任と同時期にALSを発症。2015年末、 病状の進行により職務遂行困難となり、やむなく社長を辞任。翌年、「ALSでも自分らしく生きる」をモットーに、クラウドファンディングで創業資金を募り、(株)まんまる笑店を設立。講演、研修、執筆等を全国で行なう。昨秋、対談本『2人の障がい者社長が語る絶望への処方箋』を出版。私生活では2児の父。

※ALS(筋萎縮性側索硬化症)とは、手足・のど・舌の筋肉や呼吸に必要な筋肉がだんだん痩せて、力がなくなっていく病気。 最終的には自発呼吸ができなくなり、人工呼吸器をつけないと死に至る。 筋肉そのものの病気ではなく、筋肉を動かし、運動をつかさどる神経が障害を受け、脳からの命令が伝わらなくなることにより、力が弱くなり筋肉が痩せていく。その一方で、体の感覚や知能、視力や聴力、内臓機能などはすべて保たれることが普通。発症は10万人に1人か2人と言われており、現代の医学でも原因は究明できず、効果的な治療法は確立されていない。日本には現在約9000人の患者がいると言われている。

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