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監督交代後に練習方法を変えた鳥栖、
トーレスのゴールで残留に光明

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by KYODO

ホーム最終戦で劇的な勝ち越しゴールを決めたフェルナンド・トーレス(サガン鳥栖)ホーム最終戦で劇的な勝ち越しゴールを決めたフェルナンド・トーレス(サガン鳥栖)「最近はボール回しのトレーニングをするようになって、単純に、みんな顔が上がるようになった感じです。試合でも、それが出ていましたね」

 この日、右サイドで完璧な攻守を見せていたサガン鳥栖のDF小林祐三は、笑顔でそう振り返っている。

 今年10月、自動降格圏の17位に転落した鳥栖は、マッシモ・フィッカデンティ監督を解任し、U-18監督だった金明輝を抜擢している。フィッカデンティはFC東京時代から、極端にボールを使う練習をせず、生活面でも選手に不必要なまでの規律を求めるところがあった。新たに就任した金監督は、かつて鳥栖でプレー。その後は育成年代の監督として評価を高め、田川亨介をトップに昇格させるなど、鳥栖のアイデンティティを形作ってきたひとりと言える。

 監督交代後、リーグ戦でベガルタ仙台、V・ファーレン長崎に連勝し、ヴィッセル神戸とも引き分け。3試合無敗で降格圏から脱出した。

 ホーム最終戦、残留を争う鳥栖に見えた光明とは――。

 11月24日、満員のベストアメニティスタジアムに、鳥栖は横浜F・マリノスを迎えている。15位と11位の対決だが、勝ち点差はわずか4。どちらにも降格の危険が迫り、重圧がかかる試合だった。

 必勝を期す鳥栖は、立ち上がりから主導権を握っている。まず中盤の強度で上回ると、サイドも完全にフタ。先手を取る守備を仕掛け、横浜FMのポゼッションという持ち味を出させない。その結果、前線のフェルナンド・トーレスが躍動。エリア内でシュートに持ち込むだけでなく、積極的に右サイドへ流れ、決定機を作り出した。

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