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監督交代後に練習方法を変えた鳥栖、
トーレスのゴールで残留に光明 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by KYODO

 選手たちの士気は高まって、力を出し切れるようになった。そして後半、その変化が結実する。右サイドから厚みのある攻撃を仕掛けた71分だった。福田が右サイドから蹴ったクロスが、エリア内にいた横浜FMのディフェンダーの手に当たる。これで得たPKを、金崎夢生が迷いなく叩き込んだ。

「PKのところが試合の分岐点になった」(横浜FM/アンジェ・ポステコグルー監督)

 同点に追いついて、鳥栖の攻撃は勢いを増した。横浜FMは攻撃的キャラクターが多いチームだけに、受け身に回ると弱さが出ることもあっただろうか。78分、横浜FMが自陣内からカウンターを発動しかけた時だった。縦につけたボールを、センターバックの高橋が鋭い出足でカットし、前線の金崎夢生へ。金崎はすかさず、左前でフリーになっていたトーレスにパス。トーレスはマークを巧みに外し、シュートコースを作って、ゴール左隅に流し込んだ。鳥肌が立つような美しい軌道のゴールだった。

「(トーレスが)すばらしい選手であるというのは皆さん知っていると思う。自分も戻って守ったが、切り返されてしまった」(横浜FM/チアゴ・マルチンス)

 結局、鳥栖は2-1のまま、試合を終わらせることに成功した。

 鳥栖の監督交代は吉と出たと言えるだろう。陣容は変わっていないが、チームがまとう空気は明らかに改善された。それによって、選手たちが落ち着きを取り戻している。ボールを持った時に慌てなくなったし、失点は喫したものの、90分間を通し、精神的に優勢に戦っていた。

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