2018.11.05

鳥栖、残留に向けて貴重な勝利。
でも孤立無援のトーレスはどうなる?

  • 渡辺達也●文 text by Watanabe Tatsuya photo by Etsuo Hara/Getty Images

 J1残留争いの大一番、鳥栖対V・ファーレン長崎戦。鳥栖は前節のベガルタ仙台戦で、サイドからの攻撃が成功して3-2と勝利を収めていた。そのサイド攻撃をケアするために、長崎は4バックで対応。しかし、鳥栖は金崎夢生に代わってFWに入った趙東建がサイドに流れて起点を作る。すると長崎は22分に本来の3バックに戻し、鳥栖のサイド攻撃を5バックでケアしようとした。お互いに勝ちたいというより、失点したくないという手堅い展開の試合になった。

 試合が動いたのは後半15分。福田晃斗の右からのクロスを趙東建がニアでヘディングシュート、長崎のGK増田卓也が弾いたボールを原川力が頭で押し込んだ。その後は、GK権田修一を中心に長崎の猛攻を防ぎ、残留に向けて貴重な勝ち点3を奪った。逆に長崎は、次節にもJ2降格が決まる可能性が出てきた。

V・ファーレン長崎戦は無得点に終わったフェルナンド・トーレス(サガン鳥栖) この試合の注目は、やはりフェルナンド・トーレスだった。

 前節の仙台戦では小野裕二のクロスをヘディングで決め、Jでの2点目を挙げている。しかし、まだまだ彼本来のプレーは見せていない。この試合でも前線で孤立する場面が多く、主審に抗議したり、長崎の磯村亮太とモメて一触即発になったり。後半28分にはファウルしたあと不用意にボールを蹴って警告をもらうなど、イライラを募らせる姿が多くなっている。

 ヴィッセル神戸のアンドレス・イニエスタはゲームを作る選手だ。時間とともに周りの選手の特徴を把握して、自分のよさを発揮している。だが、トーレスはストライカーだ。それもリオネル・メッシのようにひとりで2人、3人と抜いてゴールを決めるタイプではない。いいパスや、いいクロスが入ってきて初めて生きるタイプなのだ。