鹿島のスカウト担当部長は、「安部裕葵に柴崎岳と似たものを感じた」 (6ページ目)

  • 寺野典子●文 text by Terano Noriko
  • 井坂英樹●写真 photo by Isaka Hideki

――小笠原満男、曽ヶ端準、中田浩二、本山雅志ら6選手が加入した年ですね。ほとんどの選手が高校選手権に出場し、U‐18など日本代表候補でした。しかし、現在アンダーの日本代表のほとんどがクラブの下部組織に所属しているので、当時のようにはいかないですよね。

「まあ確かにそれは事実だけど、Jリーグのクラブがない地域の子どもたちは高校でサッカーをしているわけだし、高体連(高校体育連盟)に加盟している高校は4200校。絶対にいい選手は出てくるはずですから」

――だからこそ、全国をくまなく回っているんですね。何試合くらい見て決断するんですか?

「ケースバイケースだけど、たいていは、最初に見て、『コイツだな』と感じる選手じゃないとダメかな。その選手にストロングポイント、特長があるかというのが、僕のなかでは重要なポイントになっています」

――椎本さんは、選手のポテンシャルとか将来性について見抜いているように感じるのですが。

「そこは難しいところですよね。鹿島という環境、プロの世界で伸びるかどうかというところは、難しい判断。性格も関係してくるところだから。僕自身は、そういうポテンシャルはあまり意識して見ていません。身体の強さやスピード、技術、パスセンス......ポジション毎に違うけれど、そういう選手の強みを重要視しています」

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