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鹿島のスカウト担当部長は、
「安部裕葵に柴崎岳と似たものを感じた」 (2ページ目)

  • 寺野典子●文 text by Terano Noriko
  • 井坂英樹●写真 photo by Isaka Hideki

 徐々に鹿島が水原を押し返していく。中盤でのボールの奪い合いは球際や競り合いだけでなく、両者がパスを読んで奪うインターセプトに成功する場面も多く、文字通り目の離せない展開が続くなかで、前半が終了する。

 後半早々、水原は191センチのパク・ギドンを投入し、戦い方を変える。パクに合わせてシンプルにロングボールやクロスボールを蹴りこむようになった。それに対応する間もなく、鹿島は今季の悪癖を見せる。52分、53分と立て続けに失点。あっけなく逆転した水原は、60分には3点目をマークする。

 その直後、鹿島の選手たちが集まり、話をしている。

「1点返せば、次の1点も獲れる。まずは1点」

 チームの方針が明確になった。同点でも勝ち上がりは決まるが、最悪負けたとしても4-3なら、アウェイゴール数で水原を上回る。失点しないことも重要だが、まずは点を決めなければ、話にならない。

 64分、右サイドから、いったん左サイドへ展開し、最後は安西幸輝からのクロスボールを西大伍が見事なトラップでコントロールすると、右足でシュート。ポストにあたりながらもゴールイン。3-2とした鹿島は、勝利を決定づける3点目の奪取を模索する。

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