プロ生活14年を全う。田代有三は
「未練なくサッカーをやめられた」 (5ページ目)
こんなふうに、いろんな人に応援してもらえる仕事に就くことはもうないかもな、って考えると少し寂しい気もするけど、これからはセカンドキャリアに自分らしい道を見つけ、現役選手に対しても『引退してもこんなことができるんだよ』と、勇気づけられるような姿を示していきたいと思っています」
思いの丈を一気に話し終え、再びセカンドキャリアに抱く夢を語り始めた田代が、別れ際に「それにしても......」と切り出す。
「自分でも驚いているんですよ。こんなにも未練なく、サッカーをやめられるとは思わなかったなって。今のところは、まったくボールを蹴りたいとは思わないですしね(笑)。それよりも、今はこれから自分に何ができるのかが楽しみで仕方がない」
未練なくサッカーをやめるのではなく、未練なくサッカーをやめられるくらいに全うできた、現役生活。そこで手に入れた多くの財産を手に、田代有三は、新たなキャリアをスタートさせる。
(おわり)
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