ロベカルがプレゼントした一時的熱狂。Fリーグは無策で無駄にするな (2ページ目)

  • 河合拓●取材・文・撮影 text & photo by Kawai Taku

 45歳になって体型もふくよかになった元トップアスリートを、真剣にフットサルに打ち込んでいる人々が集まっているリーグ戦の公式戦に出場させることは、リーグを軽んじることになるのではないか。そして、もし活躍しても、「やっぱりフットサルは、サッカーを続けられなかった選手がやるものだ。だから引退したサッカー選手でもフットサルならすぐに活躍できる」という声が強まるのではないか。

 一時的に盛り上がったとしても、フットサルにマイナスの影響が残ることが懸念された。

 日ごろからフットサルに関わっている人の間では、そうした声が多かった。ただその一方、「ロベカルの現役復帰」は、一般には好意的に受け止められた。普段は取り上げられることがない「Yahoo!トピックス」にも取り上げられ、SNSを中心に「ロベカルの現役復帰、熱い!」「悪魔の左足を見に行きたい!」「FKの壁に入る選手は危険じゃないか?」といった声が挙がった。

 そうしたメディアや一般の人たちの反応を目の当たりにしてからは、選手たちの間でも徐々に今回のリーグの試みをポジティブに捉える声が挙がり始めていった。

 そして迎えた9月6日、ロベルト・カルロスが来日した。空港での囲み取材に応じたロベルト・カルロスは、第一声で「盛大な大会に呼んでもらえて、非常にうれしいです」と喜びを語った。そして「フットサルが得意だという私のプレーを見に大阪に来てください。間違いなく、ストロングキックはお見せします。今は悪魔の左足ではなく、悪魔の右足です」と冗談交じりに話し、自らのスマートフォンでメディアを撮影するなど上機嫌だった。

 翌7日には、試合会場となる丸善インテックアリーナ大阪で軽く汗を流し、8日のエキシビションマッチを迎えた。前半はFリーグでプレーする現役外国籍選手や元サッカー日本代表DF加地亮氏、元Jリーガーの近藤岳登氏とともに、「Abema TV DREAMS」の一員としてプレー。先制ゴールを許すと、その直後に左足で挨拶代わりのゴールを決めて、試合を振り出しに戻す。

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