2018.07.20

中村憲剛があえて指摘。ロシアW杯で
出番ゼロの大島僚太にないもの

  • 佐藤 俊●取材・文 text by Sato Shun
  • 松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka Kenzaburo

「今日の僚太は、様子見な感じだったね」

 Jリーグ再開初戦、気温19度と涼しい敵地・札幌で迎えた川崎フロンターレは、2-1でコンサドーレ札幌に勝利した。その試合後の、中村憲剛の"大島僚太評"である。

 大島は、ロシアW杯に挑んだ日本代表に選出され、チームは2大会ぶりにベスト16入りを果たすなど、戦前の予想を覆(くつがえ)す好成績を残したが、個人的には厳しく、つらい大会となった。大会直前までは主力と目されながら、4試合で一度もピッチに立つことができなかったのだ。

 大会後、大島は「これが、今の自分の実力」と淡々と語ったが、その表情には悔しさが滲(にじ)んでいた。

ロシアW杯では出番がなかった大島僚太 そんな大島同様、所属チームの"先輩"である中村もW杯で苦しさ、悔しさを経験した選手だ。2010年南アフリカW杯で代表メンバー入りし、チームは今回と同じく16強入りを決めたが、中村自身は決勝トーナメント1回戦、パラグアイ戦でのわずかな出場時間しか得られなかった。

 川崎Fの新旧ふたりの司令塔は、奇しくも同じような経験をしているのだ。

「似ているけど、タッチラインを超えるかどうかの差は、すごく大きいと思う。超えられなかった悔しさは、僚太にしかわからないけど、それは相当なものだと思うよ。俺は(試合に)出たけど、かなりの悔しさがあったからね」

 厳しい現実に直面した大島を慮(おもんばか)って、中村はそう言った。