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Jリーグからスペイン派遣のコーチが
驚く「練習場にカフェがある文化」 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Mutsu Kawamori/AFLO

 余談ですけど、ヴェルディの監督をしてるとき、クラブハウスの2階の選手スタッフ用の食堂を、スクールの保護者に開放したんですよ。小さな子供がいる人もいるし、寒かったりするから。それは画期的ではあったけど、2階の食堂に行くにはクラブハウスの受付を通らなくちゃいけないんですよね。だから日本に帰ったら、練習場の駐車場にでもバールをつくって運営するというのがメインの仕事になるんじゃないかと思うくらい(笑)。でも、そういうことが大事なんだなと思います」

――子供たちの様子は日本人と違いますか。

レアル・ソシエダ(スペイン)に1年間、派遣されている冨樫剛一氏レアル・ソシエダ(スペイン)に1年間、派遣されている冨樫剛一氏「こっちの子はよくしゃべります。読売やヴェルディで育った子たちもよくしゃべるから、僕からしたら普通なんだけど、普通の日本の子供よりはよくしゃべります。挨拶もするし、食事をしていても、先に席を立つときに『ごゆっくり』なんて気の利いたこと言ったり、コミュニケーション力が全然違うと思いました。

 先日、乾(貴士。インタビュー時はSDエイバル所属。エイバルとソシエダは同じ州内にある)選手としゃべっていて、スペイン語には敬語がないという話になりました。だから彼らはメンディリバル監督に対しても選手に対しても『トゥス』っていうフランクな二人称を使うんです。日本語にすると『監督、来てください』じゃなくて、『監督、来いよ』みたいな感じです(笑)。でも、それで監督に対して敬意がないわけではないんですよね。

 選手の話をすると、今、U-14にすごくいい選手がいるんです。150センチ台で中島翔哉より小さいくらい。すごくインテリジェンスがあって、なんでもわかっている。ただ、小さいから潰されるし、蹴ってもボールは飛ばない。でも、カンテラのみんなは『大きくなったら全部できるようになるぞ』と、評価しているんです。

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