中学時代、150万円稼いだ
元ヴィッセル田中英雄はJFLでも笑顔で

  • 高村美砂●取材・文 text&photo by Takamura Misa

ベテランJリーガーの決断
~彼らはなぜ「現役」にこだわるのか
第3回:田中英雄(テゲバジャーロ宮崎)/後編

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目標達成に向けて日々全力を尽くしている田中英雄。右はチームメイトの樽谷誠司目標達成に向けて日々全力を尽くしている田中英雄。右はチームメイトの樽谷誠司 13年間在籍したヴィッセル神戸を離れ、田中英雄が新天地に選んだのはJFLに所属するテゲバジャーロ宮崎だった。

 当然ながら、J1リーグに所属するヴィッセルとは環境も含めて、何もかもが違う。それでも彼は、自分が下した決断を、自らの力で"正解"にするために、視線の先に見据える2つの目標に向かって、これまでと変わらず、日々100%でサッカーと向き合い続けている。

 プロになったときから、サインを求められると必ず書き添える『全ての人に感謝』という想いをその胸に携えて――。

       ◆         ◆        ◆

 田中英雄が、テゲバジャーロ宮崎に活躍の場を求めてから約2カ月。新天地で戦う彼には、新たに芽生えた2つの目標がある。

 ひとつ目は、自らの決断を"正解"へと近づけるための、テバゲジャーロ宮崎のJ3リーグ昇格だ。

 もちろん、チームに所属するほとんどの選手が仕事をしながらサッカーをしている環境を考えれば、難しいチャレンジだという自覚はある。

 また、彼が楽しみにしていた"新たなサッカー観"の部分では、石崎信弘監督に出会い、氏の人間性にも惹(ひ)かれながら大いに楽しめているものの、これまでのサッカー人生ではなかった、いろんな"戦い"と直面しているのも事実だ。

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