J3トップを争うセレッソU-23。
その育成はバルサ型かレアル型か (2ページ目)
システムは4-4-2で、尹晶煥監督が率いるトップチームと同じ匂いを放っていた。守備は中央が堅く、球際で激しく戦う。攻撃はサイドを崩し、積極的にクロスを入れ、2トップが飛び込む。目を覆うようなミスはあったし、失点後はリズムを失うなど、若さゆえの波はあったが、練度は高い。
選手ひとりひとりのプレーキャラクターも、トップの選手と共通するところがあった。
例えば、左サイドバックの舩木翔は左利きで、プレースキッカーを任されるなど、左足キックだけならJ1でも遜色ないだろう。体格に恵まれて高さや走力もあるのだが、簡単に入れ替わられ、間合いを開けすぎるなど、守備は若干、不安定だった。プレーの質は別にして、キャラはトップの丸橋祐介と似ていた。
他にも、FWの山田寛人は杉本健勇、MFの西本雅崇は山口蛍を思い起こさせた。
「まだまだトップでレギュラーを取れるような、飛び抜けた選手は出てきていませんけどね」
トップの選手がそう洩らしていたように、カテゴリーが2つ下でプレーする選手たちだけに、未熟な部分があるのは否定できないだろう。ただ、「トップへの道筋」は感じさせた。もともとセレッソはユースから柿谷曜一朗、山口、杉本、丸橋などが輩出している。もし下部組織から人材を吸い上げるシステムを確立することができたら、確実にチーム力は上がるだろう。
そのとき、セレッソは真の強豪となるのではないか――。
ちなみに、以下が冒頭で紹介した質問に対する答えである。
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