2018.04.17

浦和レッズ「顔が怖い暫定監督」で3連勝。
新監督に引き継ぐのは得策か

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by Getty Images

 監督が代われば、チームが変わる――。

 改めて監督の重要性が浮かび上がる、浦和レッズの戦いぶりだった。

 昨季途中から指揮を執り、アジア制覇をもたらした堀孝史監督のもとで新シーズンをスタートさせた浦和だったが、開幕5試合で2分3敗と結果を出せず大きく低迷。4月2日、堀監督との契約を解除し、大槻毅育成ダイレクターが暫定的に指揮を執ることが決定した。

映画『アウトレイジ』に登場していそうなオーラを放つ大槻毅暫定監督 過密日程下であり、大幅なスタイル変更を図るには時間が足りない。そんななかでの監督交代は、ショック療法的な意味合いが強いと思われた。実際に大槻監督は初陣となったルヴァンカップのサンフレッチェ広島戦で、直近のリーグ戦からスタメンをすべて入れ替える大胆な策を示している。

 この試合をドローで終えた浦和は、リーグ第6節のベガルタ仙台戦で今季初勝利。さらに第7節のヴィッセル神戸戦でも一度は逆転を許しながらも、終盤のセットプレー2発で3-2と逆転勝利を挙げた。

 そして迎えた第8節、清水エスパルスとの一戦。立ち上がりから攻勢を仕掛けると、FW興梠慎三の2ゴールが飛び出し、試合を優位に展開。後半は押し込まれて1点を返されるも、身体を張った守備で同点弾を許さず、2-1で逃げ切った。

 まるで勝てなかったチームが、監督交代を機に3連勝である。こうしたケースはさらに悪い方向に転がる例も少なくないが、ショック療法がチームに刺激を与えて好転を生み出す成功例を、浦和は見事に実現したと言えるだろう。

「選手もがんばっていますが、大きく変えたのは監督だと思っています。風貌もそうですが、話術でプラスの影響を与えてくれている。声で選手を動かしてくれる監督ですね」

 DF槙野智章が言うように、大槻監督がもたらしたのは、まずはメンタル的な部分の改革だろう。

 オールバックで強面(こわもて)の指揮官が、試合中にスーツのポケットに手を突っ込みながら、叱咤激励を繰り返す。”親分”のドスの利いた声に、奮い立たない選手はいないだろう。この試合でも抜擢されたルーキーのDF橋岡大樹が終盤に足をつり、ピッチに座り込んだが、「まだやれる」とばかりにすぐさま起き上がり、最後までピッチに立ち続けた。疲労困憊になりながらもファイティングポーズは崩さない。ルーキーが見せた闘志は、大槻監督が醸し出す雰囲気によって導き出されたものだろう。