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FC東京で、長谷川健太スタイルが見えた。
守りの圧力で今季J初勝利 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Masashi Hara/Getty Images

 結果的に、前半は両者、膠着した状態が続いた。

 そして後半立ち上がり、一気に局面が変わる。

「点が獲れないと、受け身に回って、ネガティブな状況になることが多かったんです。だから、後半は立ち上がりから手を緩めず、前から行こうとなりました。相手は嫌がるはずで、走れるチームを走って上回ろう、と」(FC東京・富樫)

 FC東京はキックオフから蹴り込んだボールを跳ね返されるが、中盤でMF高萩洋次郎が奪い返す。これを下げずに、前へボールを運ぶ。再び跳ね返され、カウンターに入られそうになるが、今度はMF橋本が潰す。こぼれを拾ったDF小川諒也が前につなぎ、さらにMF東慶悟が間髪入れず、FWディエゴ・オリヴェイラの足下に入れる。オリヴェイラはこれを反転しながら、右足を鋭く振り、ネットに突き刺した。

 それは目を見張るインテンシティだった。凄まじい圧力でディフェンスを仕掛け、奪ったボールを強い意志で前に運び、押し切る。相手を踏みつぶす"力強い進軍"だった。

「サッカーではよくあるというか、後半立ち上がりのワンプレーでやられてしまった。気を抜いたというか、気が緩んだというか。で、仕留められた。取られ方のところで注意はしていたが......」(湘南・曺貴裁監督)

 FC東京はこの1点でペースを握った。メンタルの違いだろうか。全体の強度が上がって、前のめりになったことで、いい守備のポジションは攻撃にもポジティブに反映された。

 58分には相手のパスを森重が自陣でカットし、ダイレクトで東に入れ、これを持ち込む。ペナルティエリア右でパスを呼び込んだ富樫は、1人を外してシュートを放つ。59分には再びビルドアップの出どころを潰し、湘南のミスが出たところで橋本が出足鋭くインターセプトに成功。そのままゴール前に持ち込み、もつれたボールを富樫が倒れ込みながら狙った。

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