長崎を奇跡のJ1に導いた、髙田社長のテレビ通販と似たクラブづくり (3ページ目)

  • 刈部謙一●文 text by Karube Kenichi photo by Kiyoshi Ota-JL/Getty Image、山頭範之●撮影 photo by Ymagashira Miriyuki

 高木監督もすごく進化しましたね。私が感じたのは、スキルや指導力の面ではなく、人間としてです。私も昇格が決まった2017年11月の暮れから、挨拶回りなどのために高木監督と一緒に車で回りましたけど、いろいろと話をしていて、失礼な言い方かもしれませんが、成長しているんですよ。私は60歳を超えても、人間として成長しなければいけないと考えていますが、その部分が本当に見えてきて、これはまた高木さん、2018年は何かやってくれるのかなと思わせてくれます。

 選手も成長していて、これは選手もやってくれるのかな、と。『V・ファーレンはJ1に来たら大変だよ』と言われるんですけど、そうじゃないと思います。今はJ1の力に近づいているんですよ。これは頑張れば、さらに上を目指せるという気がします」

――以前まだスポンサーだった時代に、髙田さんがVIP席で試合をご覧になっているところをお見かけしたのですが、他のスポンサーにはふんぞり返っているように見える人もいるなか、普段着で、目立たないように見ている感じがしました。しかも、経営者となってからは、VIP席ではなく、いろいろな場所でご覧になっていたじゃないですか。あれはどういうことだったんですか?

「私のアウェーでの楽しみは、アウェーの方々に会うことなので、いろいろなところで見るんです。だから、スタジアムを歩いたりします。それに、わからないことがたくさんあるので、学んでいることもあります。『ピッチの看板どうなっている?』『バナー看板どうなっている?』って(笑)。観客の雰囲気を見るのも好きなんですよ。それが刺激となって私に何かを与えてくれますから。アウェーのロアッソ熊本戦は天気がよくなかったんですが、みなさんの応援の度合いを見たら楽しくなりました。

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