セレッソ山口蛍は言う。「W杯より、ACLより、まずはリーグ制覇へ」

  • 佐藤 俊●取材・文 text by Sato Shun
  • photo by Etsuo Hara/Getty Images

 天皇杯を制して、ルヴァンカップと二冠を遂げたセレッソ大阪。2週間ほどの短いオフを過ごしたあと、すでにタイでの1次合宿を打ち上げて、現在は2次合宿となる宮崎キャンプで、2月10日に控えたゼロックススーパーカップ、そしてリーグ開幕戦に向けて精力的にトレーニングを消化している。

 2月2日には全日本大学選抜と練習試合を行なって、レギュラー組は2-0と勝利した。そのなかで存在感を示していたのが、今季キャプテンに指名された山口蛍である。後半、大学生相手にやや押される展開の中でも、中盤で体を張ったプレーが際立っていた。

今季のキャプテンに任命された山口蛍今季のキャプテンに任命された山口蛍

 昨季の背番号「10番」は清武弘嗣に譲って、自らは背負い慣れた「6番」に戻った。数字が軽くなったからではないだろうが、合宿の疲れがピークに達する中、山口の動きはチームの中でも突出していた。

 相手にボールを支配される状況にあっても、焦(じ)れずに我慢して、サイドの清武や水沼宏太らに的確な指示を出して守りのバランスを整える。"ここ"という局面においては、自ら厳しくチェックにいって相手の攻撃の出鼻をくじいた。

 攻撃でも"ここぞ"というときに前線に駆け上がり、ボックス内に飛び込んでいった。さすがは日本代表のボランチ、動きのよさはピカイチだった。

 試合に関して言えば、勝ったものの、内容は今ひとつだった。それでも、今の時期はフル出場して戦うことに意味があると、山口は言う。

「(尹晶煥/ユン・ジョンファン)監督も言っていたけど、今日は90分やることに意味があったと思います。これまで90分(の戦いは)やっていなかったので、(1週間後に)ゼロックスがある中、体力的なことも含めて(90分間プレーすることは)1回はやっておかないとダメだと思うし、90分やってケガなく終われたのはよかったと思います」

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