大迫、平山、浅野...歴代得点王とは違う高校サッカーの「小さな怪物」 (5ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 高橋学●撮影 photo by Takahashi Manabu

「昨年の大会から学んだ決定力の部分は、この1年間、こだわってやってきました」

 飯島はそう振り返る。シュート練習を徹底して行ない、気づけば2時間もボールを蹴り続けたこともあったという。その成果として、得点王に輝き、母校に悲願の初優勝をもたらした。

 見た目もさることながら、報道陣からの質問にたどたどしく答える飯島は、どこにでもいるような素朴な高校生と変わりはない。それでもその答えには、ストライカーとしての強烈な自負が備わっていた。

「7ゴールも獲れてうれしいですし、去年より全然いいと思っていますが、まだまだ決め切れるシーンもあったんで、もっと点を獲れたと思います」

 卒業後は法政大に進学し、4年後のプロ入りを目指すという。

「大学ではもっと相手の身体も強くなってくると思うので、そういうところも鍛えていかないといけない。そのなかでも結果にこだわってやっていきたいです」

 怪物と呼ぶには、まだ迫力に欠ける。それでも、そのポテンシャルは過去の怪物たちにも見劣りしない。むしろ伸びしろがあるぶん、大成の可能性も大きいだろう。日本一を掴んだこの大会が、小さなストライカーを真の怪物へと向かわせる、第一歩となるかもしれない。

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