2018.01.09

前橋育英、点が入らなくても慌てず騒がず。
流経大柏をこじ開け初優勝

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 高橋 学●撮影 photo by Takahashi Manabu

 正月恒例の全国高校サッカー選手権。今年度の決勝は、掛け値なしの好ゲームだった。

 ハイレベルな試合内容はもちろん、最近2大会の決勝がいずれも5-0というワンサイドゲームに終わったのに比べると、最後の最後までどちらが勝つかわからない展開も、試合を非常に見応えがあるものにした。

 結果から言えば、前橋育英(群馬県)が流通経済大柏(千葉県)を1-0で下し、初優勝を遂げた。

高校サッカー選手権、悲願の初優勝を飾った前橋育英 今大会の前橋育英は、全5試合で16得点1失点。相手に打たれたシュートはわずかに11本と、1試合平均で2本程度しかシュートを許さなかった。選手個々の技術が高く、正確なパスワークで攻め込むことができるうえ、一度ボールを失っても素早い攻守の切り替えと、球際での争いの強さで、すぐにボールを奪い返すことができた。常に敵陣で攻守を繰り返す、圧倒的な強さを見せつけての戴冠だった。

 とはいえ、決勝で敗れた流経柏もさすがだった。

 前々日に行なわれた準決勝を見る限り、決勝は大差になる可能性もあるのではないかとも思えた。それほどに、前橋育英は強度の高いプレーの連続で相手を圧倒していた。にもかかわらず、決勝が一方的な試合にならなかったのは、過去に選手権優勝経験を持ち、今年度の全国高校総体(インターハイ)王者でもある流経柏が、前橋育英のなすがままにはならなかったからだ。