福田正博が予想。ロシアＷ杯
「日本のＨ組以外」で番狂わせがあるのは？ (5ページ目)

　メッシ中心のチームで決勝まで進んだ前回ブラジル大会では、ドイツにメッシを完全に封じられて優勝を逃している。タレント不足なら仕方ないが、FWにはパウロ・ディバラ、ゴンサロ・イグアイン、セルヒオ・アグエロといった錚々（そうそう）たるメンバーがいる。ただし、彼らがメッシと一緒に起用されると輝きが半減してしまうことが悩みの種だ。

　選手の組み合せの難しさは、おそらくベルギーやフランスの比ではない。昨シーズンまでバルセロナでメッシ、ルイス・スアレス、ネイマールが共存できたのはある意味奇跡的で、クラブで毎日のように練習できる環境があってこそ。その時間がなかなかとれない代表チームでは、名将サンパオリといえどチーム作りに苦労することが予想される。

　そうなれば、他のチームにチャンスが生まれる。ルカ・モドリッチを擁するクロアチアはもともと実力のあるチームだが、Ｗ杯初出場のアイスランドも面白い存在だ。アイスランドの人口は日本のさいたま市よりも少ない約33万人だが、実は指導者が多く、コートなどの関連設備が整った"小さなサッカー大国"なのだ。堅実で、ファイトできる選手が揃っているアイスランドが、昨夏EUROで起こした旋風を再現できるか注目したい。