泣くな、松本山雅。J1を逃すも、まだ反町監督と理解あるファンがいる

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Masashi Hara - JL/Getty Images for DAZN

 前節終了時点での松本山雅の順位は、J1昇格プレーオフ圏外の7位。にもかかわらず、松本が最終節で勝てば、自力でプレーオフ進出を決められる状況にあったのは、同5位の徳島ヴォルティスと同6位の東京ヴェルディが、直接対決でつぶし合うからだった。

 他会場の経過を気にする必要はなく、松本は目の前の敵を倒しさえすれば、J1昇格への可能性を残すことができた。

 しかし、松本は勝てなかった。京都サンガに0-1で敗れ、8位という成績で今季を終えた。巡ってきたチャンスを生かすことはできなかった。

「シーズンを象徴するようなところがあった」

 松本の反町康治監督は、夢絶たれた最終戦をそう表現した。この試合に象徴された「今季の松本」とは、どんなものだったのか。ひと言で言うなら、「勝負強さに欠けた」ということになるのだろう。

 まずは、勝負どころでの得点力不足。「最後の崩しのところでアイデアが足りない」と語る反町監督が特に強調したのは、「我々はラスト15分で、(J2最下位の)ザスパクサツ群馬の次に点を取れていないチーム」だということだった。実際、この試合でも1点ビハインドの終盤では、長身のDF飯田真輝を前線に上げ、FW鈴木武蔵を交代投入し、パワープレーに打って出たが、同点ゴールはならなかった。指揮官は言う。

「(今季の松本は)最後の最後で点を取れるチームではなかった」

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