泣くな、松本山雅。J1を逃すも、
まだ反町監督と理解あるファンがいる (5ページ目)
Jリーグでは昨今、監督に見切りをつけるのが早くなったように感じられる。それどころか、悪く言えば、はじめから見切りをつけやすい監督を選んでいるのではないか、と思えてしまうケースもあるほどだ。
正直、この戦力でこの成績は、はたして監督の責任なのだろうかと、疑問に感じる解任劇もあるが、そうは言っても、期待された成績が出ていないにもかかわらず監督を据え置くことの難しさは当然あるだろう。場合によっては、不満を募らせたサポーターが試合後のスタンドに居座ったり、選手のバスを取り囲んだりといった騒動が起きることも珍しくない。
松本山雅にはチームをサポートする、温かいファンがいる だが、松本は違う。
京都戦が今季のホーム最終戦とあって、試合後は反町監督らがサポーターに向けて挨拶を行なったが、スタンドの反応は極めて温かかった。その後に選手、スタッフが場内一周したときも、スタンドからは拍手が起き、「ソリさん、ありがとう」の声も聞かれた。「ペットボトルが飛んできたり、罵声を浴びたりしても仕方がないのに、逆にツラい」とは、反町監督の弁だ。
長期政権の成立は、クラブの決断が必要なのはもちろんだが、サポーターの理解なくして実現しない。幸いにして、松本にはその難しい条件が整っているのである。Jリーグにも、長期的視点に立って指揮を託される監督がひとりくらいいてもいい。
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