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J1に昇格するだけでは意味がない。
モンテディオ山形が描くビジョン (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Masashi Hara - JL/Getty Images for DAZN

 山形が今季ここまでに積み上げた勝ち点47は、昨季の最終成績とまったく同じ。勝ち点のうえでは、7試合を残す時点ですでに昨季に並んでいるのである。つまりは、これからの7試合で積み重ねる勝ち点すべてが、今季の成長分だと言っていい。

確実に成長を遂げているモンテディオ山形確実に成長を遂げているモンテディオ山形 だからこそ、木山監督は「結果の責任は自分にある」としたうえで、「スタンスをしっかり広げて考える必要がある」と、腰を据えた強化の必要性を強調する。

「昨季14位だったチームが、高いところを目指してトライしている。その現実をしっかり受け止めながら、自分たちがやっていることに対してプライドと自信を持って進んでいかなければいけない。ものすごく難しいタスクをみんなでやっていくには、もっとプライドを持ってやらなければいけないし、粘り強さも必要だと思う」

 木山監督は過去、2012年にジェフ千葉を、2015年には愛媛FCをプレーオフへと導いた実績を持つ。特にふた桁順位が当たり前だった愛媛を初のプレーオフまで導いた手腕は称賛に価する。

 とはいえ、2度のプレーオフ進出は結果的にいずれも敗退に終わり、J1昇格を果たせてはいない。だからこそ、45歳の知将は、ただプレーオフに進出できればいいとは考えていないし、また、J1に上がりさえすればいいとも考えていない。

「去年まで愛媛を率いて、愛媛でもプレーオフまでいっている。プレーオフを目指すチームを作るためだったら、わざわざここに来る必要はなかった」

 そう語る木山監督は、目先の結果だけにこだわったのでは真に強いクラブは作れないし、せっかくJ1に上がったとしても1年で逆戻りでは同じことの繰り返しになることをよく理解している。指揮官が続ける。

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