「結局は鹿島」なのか。J逆転優勝へ、福田正博から川崎と柏に檄! (3ページ目)

  • 津金壱郎●構成 text by Tsugane Ichiro
  • 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

 昨季リーグを制しただけではなく、クラブ・ワールドカップ決勝でレアル・マドリードを追い詰めた監督を、シーズン途中で解任するのは他のクラブなら二の足を踏んでしまうところ。しかし、鹿島が決断に踏み切れたのは、"最低でも"リーグのタイトルを獲得するという目標を達成するための"最善策"を考えたからだろう。

 これこそが、鹿島の"クラブ力"だ。Jリーグ誕生からの25年間でリーグ8回、天皇杯5回、Jリーグカップ6回の優勝を誇る鹿島は、選手や監督、チーム運営者、クラブスタッフ、サポーターといった、チームに携わるすべての人たちの意識が、常に優勝に向いている。

 他のクラブでは、サッカーの内容やチームへの貢献度の高い選手やスタッフへの情が、優勝という目標を上回るケースもある。しかし、鹿島にはそれはない。"優勝至上主義"とでもいうべきクラブの哲学が決断を早め、現在の首位快走へとつながったのだ。

 その鹿島を追う2位の川崎フロンターレ、得失点差で3位の柏レイソルは、かろうじて優勝戦線に踏みとどまった状態にある。

 現在の川崎は、鹿島に次いで「優勝への欲求」が強いクラブだと感じるが、大島僚太が9月23日の神戸戦で全治2カ月のケガを負ったのは大きな痛手だ。早く復帰できたとしても、最後の2、3試合に出られるかといったところだろう。

 攻守でハードワークを厭わない阿部浩之の活躍や、家長昭博がチームにフィットしことで、今季の川崎の攻撃力が増していることは間違いない。しかしそれは、中盤の底でパスを受け、テンポよくボールを捌いてきた大島がいてこその攻撃力だ。

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