「福岡、強いね」の声。J2で2強を占めつつ、視線はJ1復帰後へ (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Getty Images

 とはいえ、冒頭にも記したように、勝った福岡が非の打ちどころのない試合をしたわけではない。

 例えば、リズムがよかった前半にしても、20分を過ぎたあたりからペースダウンして単調な攻撃が多くなっていたし、後半の立ち上がりは、ハーフタイムを挟んで息を吹き返した町田に対し、明らかに劣勢に回っていた。

 また、1点をリードしてからは、なかなか落ち着いてボールを保持することができず、簡単にボールを失うケースが増えた。その結果、町田に何度もペナルティーエリア内への侵入を許し、特にロスタイムを含めたラスト10分ほどは、冷や汗ものの展開が続いた。

 それでも、福岡の選手や監督から前向きな言葉が数多く聞かれたのは、勝利という結果だけが理由ではあるまい。自分たちの狙いどおりに進められた攻撃はもちろん、ピンチも含めて試合で起きたことのほとんどが想定内であり、つまりは、自分たちのコントロール下で試合を進められた手ごたえがあったからだろう。

 亀川は「前半の押し込んでいた時間で試合を決められるのが理想だが」と前置きしたうえで、こう話す。

「相手がいるのがサッカー。圧倒的に押していても点が取れずに負けてしまう試合もあるなかで、(点が取れなくても)焦れずにやろうというのは、今年、チームでずっと言ってきていること。1点しか取れなかったが、こういう試合を落とさず、勝ち切れたのは大きい」

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