浦和レッズに「ひじ打ちではなく拍手を」。難題をクリアしACL8強に (4ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

「僕らはホーム&アウェーの難しさを知っていた。1戦目で勝ったチームのほうが、第2戦目は難しくなる。僕らは失うものがなかったから、思い切っていくことができた」

 前述のふたつの試合では、ともに浦和は第1戦をモノにしながらも、第2戦で耐えきれず、敗北を味わっている。つまり、追われる側の難しさを理解しているからこそ、精神的に優位に立てたのだ。

 浦和にとって計算外だったのは、相手に退場者が出たことだろう。81分に済州のDFチョ・ヨンヒョンが警告2枚で退場に。これにより、済州は勝ち越し点を奪うことをあきらめ、完全にPK戦狙いに切り替えたのだ。

 人数をかけて後方を固める相手に対し、浦和は「勝負を決する3点目を奪う」という最後のミッションを、なかなかクリアできないでいた。

 それでも、この日の浦和はどこまでも冷静だった。司令塔のMF柏木陽介は、終盤の戦いをこう回顧する。

「延長で1点獲れればいいなと考えていた。80分くらいからは、延長も含めた40分という考え方で試合をしていたので、そういう試合のコントロールの仕方ができた」

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