浦和レッズに「ひじ打ちではなく拍手を」。難題をクリアしACL8強に (5ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 焦って3点目を狙い、カウンターの餌食になってしまえば、元も子もない。延長に入れば、アウェーゴール・ルールが適用されなくなるということも計算に入れたという。もちろんPK戦になれば何が起こるかわからないため、点を獲る必要があったことには変わりはないが、焦(じ)れずに、粘り強く得点機を探り、その時を待ち続けた。

 そして迎えた114分、FW高木俊幸のクロスをDF森脇良太が合わせ、決勝ゴールをマーク。人種差別発言疑惑で騒がせていた男が禊(みそぎ)のゴールを決めるとは、いささか出来すぎのドラマだったかもしれない。しかしそのシナリオは、少しでも破綻があれば、決してハッピーエンドとは成り得なかっただろう。

 120分間にわたり、緻密にプランを遂行しながら勇敢に戦い抜いた浦和の選手たちには、ひじ打ちではなく、心からの拍手を送りたい。

■Jリーグ 記事一覧>>

5 / 5

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る