あっさりボールを奪われる清武弘嗣。5年前の姿、まだここにあらず (2ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 その試合でC大阪復帰後初ゴールをマークし、今後の活躍が期待されたが、柏戦での出来は冒頭の感想のとおり。らしくないパスミスもあれば、トラップミスも散見。思い切って狙ったシュートは枠に飛ばず、クロスが合わない場面も何度かあった。59分にはカウンターで抜け出すシーンがあったものの、DF輪湖直樹に身体を入れられ、あっさりとボールを奪われてしまう。連戦による疲労や暑さの影響はあったにせよ、清武がこれほど簡単にボールを失ってしまうのは、ちょっと意外だった。

 試合後に報道陣の前に現れた清武は、納得のいかない表情を浮かべながら試合を振り返った。

「チャンスはあったので、そのなかで決めきれなかったのは残念でした。(不運な失点場面は)あれはチームとしての失点だと思うし、ああいうふうにさせたのは、攻撃陣が早めに点を獲っていないのが原因。ディフェンスの選手に苦労をかけた試合だったと思います」と、言葉少なに取材エリアを後にした。

 プレーに見るべきところが少なかったと感じたのは、この試合を視察に訪れた日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督も同様だったのだろう。清武のプレーに関して感想を求められたが、コメントを控えたという。

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