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サンフレッチェの優勝を予想した
記者が感じた、今季の違和感の正体 (5ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 強かったころの広島と今の広島を比較するうえで、うってつけの人材がFC東京にいた。2014年まで広島に所属していた髙萩洋次郎である。かつての司令塔は対戦相手として感じた広島の現状を、次のように語っている。

「まあ、ひとつだけ言えるとしたら、ボールをつなぐところで単純なミスが多いかな、という気がしました。連動性とか、僕がやっていたときはもうちょっと楽しんでいたと思う」

 楽しんでいた――。髙萩のその言葉を聞いたとき、広島のサッカーを見ながら感じていた違和感の正体がわかった気がした。

 そう、強かったころの広島は常に能動的にボールを動かしながら、「さあ、どうやって崩していきましょうか」という野心と余裕があった。しかし、この日の広島は失点を恐れるあまりか、ゴールを奪うためのチャレンジに欠けていた。そこにサッカーを楽しもうという姿勢は感じられず、無難なプレーに終始していたのだ。

 もちろん、結果を出せていないチームに対し、楽しめというのは酷だろう。それでも、本来持っていたはずの遊び心が、今の広島には欠けている気がしてならない。その姿勢が蘇れば、おそらく追い風は吹くはずだ。それを信じて、順位予想はこのままにしておきたい。

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