豊田陽平「あの年、鳥栖は優勝してすごかったね」と歴史に残りたい

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Wataru Kohayakawa/AFLO

 シーズンオフ、サガン鳥栖は積極的な補強策で主役の一翼を担った。GK権田修一(←SVホルン)、CBフランコ・スブットーニ(←アトレティコ・トゥクマン)、右SB小林祐三(←横浜F・マリノス)、MF小川佳純(←名古屋グランパス)、原川力(←川崎フロンターレ)、水野晃樹(←ベガルタ仙台)、FW小野裕二(←シント=トロイデンVV)ら有力選手を獲得。「Jリーグ優勝」という目的地に向かって、舵を切った。

 もっとも、補強が単純なプラスに働かないのが、サッカーの難しさだろう。

「補強したところがまだ読めない、というのが正直なところです」

 エースである豊田陽平は、 実状を明かしている。

サガン鳥栖で8季目のシーズンを迎えるエースの豊田陽平サガン鳥栖で8季目のシーズンを迎えるエースの豊田陽平「(去年からのメンバーの)僕たちはマッシモ(・フィッカデンティ)と1年やっているので、足りない部分はあっても、戦術的に迷いはありません。ただ、新加入選手は判断のところで、ここで行くべきか行くべきでないか、とか、どうしても一歩遅れる。後手を踏んでしまう。でも、それは必ず通る道。そこを抜け切ったらパーソナリティを出せると思うんです。だから開幕でバンッといくよりは、次第にフィットしていくイメージですね」

 開幕に向けて前哨戦となった韓国の強豪、水原三星とのゲームも、昨シーズンのメンバーは仕上がりのよさを見せている。左サイドの吉田豊、福田晃斗は一つのセット。豊田、富山貴光、鎌田大地のトライアングルも熟成しつつある。

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