2017.02.07

完成間近だったジュビロの革新的
システム、N-BOXが封印された理由

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi

短期連載・今こそ「ジュビロ磐田のN-BOX」を考える(4)

(連載第1回)(連載第2回)(連載第3回)から読む>>)

名波を襲ったアクシデント

 なぜ、鹿島との大一番で磐田のN-BOXは輝いたのか――。

 まさに大一番だったからではないか、と分析するのは福西崇史だ。

「相手が鹿島だったからモチベーションも集中力も高かったし、運動量もあった。試合をやっていて楽しかったし、確信を深めていったんじゃないかな」

鹿島戦の後も、連勝記録を伸ばしていた磐田だが...... photo by Kyodo news 宿敵から収めた快勝は、選手たちの自信を膨らませ、N-BOXを一層スムーズに機能させた。鹿島戦を経て守備における不安は取り除かれ、オートマティズムはさらに磨かれていく。

 その後、セレッソ大阪、名古屋グランパス、浦和レッズ、ガンバ大阪を下した磐田は、開幕からの連勝をJリーグ記録タイの8に伸ばし、2位の清水エスパルスに勝ち点差8をつけて早くも独走態勢に入った。鈴木秀人が感慨深げに振り返る。

「鹿島に勝ったあたりから数試合は、やっていて本当に楽しかったですね」

 だが、そのあと、声のトーンが少し落ちた。

「名波さんがいなくなるまでは……」

 完成の域に近づいていたN-BOXの命運を揺るがすアクシデントが起きたのは、ガンバ大阪戦の終盤だった。