ジュビロのN-BOXが炸裂した2001年、ライバル鹿島との一戦

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi

短期連載・今こそ「ジュビロ磐田のN-BOX」を考える(3)

(連載第1回)(連載第2回)から読む>>)

しっくりこない開幕3連勝

 3月10日に開幕したJリーグの2001年シーズンで、ジュビロ磐田は開幕2連勝を飾った。

 ジェフ市原とのファーストステージ第1節では、奥大介が2ゴールを連取すると、田中誠、西紀寛が続いて4-1で勝利。サンフレッチェ広島との第2節でも、藤田俊哉が2ゴールを奪うと、服部年宏と高原直泰も決めて4-1。2試合合計8得点と攻撃力を見せつけ、スタートダッシュを成功させた。

開幕3連勝で鹿島戦を迎えた磐田 Photo by AFLO開幕3連勝で鹿島戦を迎えた磐田 Photo by AFLO この頃になると、新システムの狙いや利点について、頭では理解できるようになっていた。従来の3−5−2との違いについて、名波浩はこう考えていた。

「従来の3−5−2だと、サイドのスペースを両ウイングバックが上下動して埋めるから運動量が極端に多くなるけど、新システムでは横にスライドして対応するから、負担を分散できる。それに、中盤の5人が距離感を保ちながら動くことで、攻撃では互いの技術や創造性を引き出せるし、俺がボックスの真ん中にいることで、相手がどこでボールを持っていても、こっちが数的優位という印象を持たせられる。俺がプレスバックするときも、トップ下にいるときよりもスムーズにできる。そうしたプラスはあった」

 システムの可変性、流動性を挙げたのは、福西崇史である。

「ベースは3-5-2なんだけど、ハット(服部)が左に出れば変則的な4バックに変わる。ハットやなっちゃん(名波)がポジションをちょっと変えるだけで、相手や状況にも合わせて変幻自在にシステムを変えられる利点があった」

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