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俊輔の移籍は理解できても、
マリノスで起きていることは理解不能だ (3ページ目)

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 むしろ深刻なのは、ディフェンスの主力であるDF小林祐三(→サガン鳥栖)、DFファビオ(→ガンバ大阪)、GK榎本哲也(→浦和レッズ)の3人を移籍させた点だろう。彼らに正当な評価を下し、引き留めることができなかった。それは「罪」に近い。不動の右サイドバック・小林には「契約満了」を突きつけた。見る目がないというか、正義がまかり通らない。1シーズンを通し、コンスタントに試合に出場した実績を否定するなら、選手は何を拠りどころに身を粉(こ)にするのか。

「自分たちの何を見ているのか、信頼できない」

 その不信感は多くの選手に伝播・増幅し、9年間在籍したMF兵藤慎剛(→北海道コンサドーレ札幌)も移籍を発表している。

 現場で矢面に立つのは、「CFGに選ばれた」という形のエリク・モンバエルツ監督だろう。成績は10位と低迷。トレーニングがマンネリ化するなど、1年目以上の結果(7位)を残すことができなかった。

「なぜ、監督を代えないのか?」という批判の矛先を向けられている。

 しかし、モンバエルツ本人はそこまで悪い監督だろうか?

 ルヴァンカップ、天皇杯では準決勝に進出。MF喜田拓也(22歳)、FW富樫敬真(23歳)、MF天野純(25歳)、DFパク・ジョンス(22歳)、MF遠藤渓太(19歳)ら若手を抜擢したのは、フランス人監督の功績だろう。少なくとも一部選手たちを除けば、リスペクトされている。練習中に怒鳴り声を上げて刃向かったコーチ(選手の前で監督に反抗するなど欧州や南米では言語道断)や、不満げな態度を露わにする選手も、"干す"ようなことはせず、寛大に誠実に対応してきた。

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