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俊輔の移籍は理解できても、
マリノスで起きていることは理解不能だ (4ページ目)

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 中村の移籍は、横浜FMファンにとっては青天の霹靂(へきれき)で、心情的には悲しい出来事だろう。しかし、強化の一面から見ると、不思議ではない。

 モンバエルツと中村が戦術的に折り合いをつけられなくなっていたことは、誰の目にも明らかだった。横浜FMは2トップのほうが機能しはじめ、攻撃はFW齋藤学の存在感が著しく増し、終盤には左利きMFの天野も成長を見せていた。一方の中村は38歳になってケガも多く、フル稼働はできなかった。8000万円と言われる年棒オファーを受け、同じ感性を持つ指揮官の誘いを選んだに過ぎない。

 騒動を一緒くたにするべきではないだろう。クラブは新陳代謝を必要とする。その点、移籍や若手への切り替えもひとつのマネジメントだろう。

 にもかかわらず、批判を避けられない理由も明らかだ。

「正しい目によるジャッジの欠落」

 それこそ、集団における負の連鎖を引き起こしている。

 横浜FMは来季に向け、レッドスター・ベオグラード(セルビア)で得点を量産していたポルトガル人FWウーゴ・ヴィエイラを獲得するなど、戦力補強も行なっている。しかし、DFラインの主力をごっそりと手放し、Jリーグで生き残れるのか? もし、齋藤学も移籍する道を選ぶとしたら......。そこには、茨(いばら)の道が待つだろう。

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