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脱ポゼッションで初のベスト4。
潔い佐野日大の「守り一辺倒サッカー」 (5ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka Kenzaburo

 準決勝の相手は、滝川第二(兵庫県)に快勝を収めた前橋育英(群馬県)に決まった。一昨年に準優勝を果たしたまぎれもない強豪校は、隣県のチームでありながら、佐野日大にとっては近くて遠い存在である。

「前橋育英は結構近いし、中学から知っている選手もいるので、ライバル心はありますね。ただ、練習試合を何度かしたことがあるんですが、Aチーム同士でやったことはないんです。相手は格上だし、これまで僕らは結果を出せていなかったので、なかなかやらせてもらえなかったんでしょう」

 自虐的に語った福田の目は、ようやく対戦できるという喜びにあふれていた。佐野日大にとっては、待望の対戦。それが全国ベスト4の舞台で実現するのだ。果たして彼らの守備的スタイルは、"格上"に通用するのか――。1月7日に行なわれる準決勝は、実に楽しみなカードとなった。

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