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永井秀樹「何ひとつ、夢はかなって
いない。だから45歳までやれた」

  • 会津泰成●文・撮影 text&photo by Aizu Yasunari

2016年引退特集(1)
「静かなレジェンド」永井秀樹(前編)

 2016年11月12日(土)の引退セレモニー。現役のJリーガーとしては、三浦知良(横浜FC)に次ぐ年長となる45歳、永井秀樹(東京ヴェルディ)の功績を称える映像とともに流れた曲は、竹内まりやの『静かな伝説(レジェンド)』だった。

 永井自身の生きざまを、まさに投影したかのような歌詞。永井本人も「ここ最近の自分の立場とぴったりくる」と話す、お気に入りの曲だ。サポーターも知ってか知らでか、スタンドに掲げられた横断幕には、「ありがとう静かな伝説」「THE LEGEND HIDEKI NAGAI」と書かれていた。

引退セレモニーで挨拶する永井秀樹引退セレモニーで挨拶する永井秀樹 永井が相好を崩して語る。

「横断幕に書かれたあの言葉を見つけたときは、ほんとにうれしかった。自分自身の中では、ヴェルディの"レジェンド"と言えばラモスさん。ラモスさんの功績と比較するのはもちろんおこがましいけど、『レジェンド』と呼ばれる資格をもらえる立場になれたことは、本当にありがたく、光栄に思う。

 だから、あのときは『偉大なるレジェンドの中に、自分も入れたのかな』と思えた、本当に幸せな瞬間だった。また同時に、これからの新しい人生、恩返しの意味も込めて、『まずはヴェルディを必ず再建してみせる』と、強い決意と覚悟が生まれた瞬間でもあった」

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