「1位なら最大15億円」の強化配分金は、Jリーグをどう変えるのか

  • 津金一郎●構成 text by Tsugane Ichiro
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

福田正博 フォーメーション進化論

 2016年のJリーグは、すべてのディビジョンで優勝争いや昇格プレーオフが熾烈となり、見応えのある試合がシーズン終盤まで続いた。その影響もあって、J1からJ3までの年間入場者数は2年連続で1000万人超えを達成。1993年に10クラブで始まったJリーグが、しっかりと根を張り、着実に成長してきた証といえる。

 来年で25年目のシーズンを迎えるJリーグは、これまで全クラブを均等に庇護下に置くことで発展してきた。クラブ間の戦力や資金力の格差を小さくすることは、国内だけに目を向けていれば問題はないが、サッカーが地球上のほとんどの地域で盛んな「グローバルスポーツ」であることを忘れてはいけない。

鹿島のクラブW杯準優勝が、Jリーグ発展の契機となるか鹿島のクラブW杯準優勝が、Jリーグ発展の契機となるか

 Jリーグがさらなる発展を遂げるためには、世界のサッカーシーンにおいて存在価値を示していく必要がある。Jリーグ王者が毎年のようにアジア・チャンピオンズリーグを制し、クラブW杯でも優勝を争う。そうしたサイクルを作ることで国際競争力が高まり、ひいては日本代表の強化にもつなげることができる。

 そのために不可欠なのが、ヨーロッパ各国のビッグクラブのみならず、急速に発展する中国や中東勢に対抗できる資金力だろう。世界には数百億円規模の収益をあげるクラブが数多くあるが、Jリーグでの最高は浦和レッズの約60億円。国内にも100億円以上の収益を誇るクラブが3つ、4つほど出てくると、リーグ全体のレベルはかなり上がるはずだ。

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