レアルを追いつめた鹿島。クラブW杯準優勝の真価はACLで問われる (3ページ目)

  • 浅田真樹●文text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影photo by Sano Miki


 だが、20数年のJリーグの歴史のなかで、どこよりも勝利にこだわり、どこよりも多くのタイトルを手にしてきた鹿島は、そうではなかった。

「経験をしにこの大会に来ているわけではない。優勝できなければ、2位も最下位も一緒」

 キャプテンのMF小笠原満男のそんな心意気が、すべての選手に浸透していた。鹿島は本気で「白い巨人」を倒しにいった。DF昌子源が語る。

「(逆転ゴールを)岳が決めて、レアルはガラッと雰囲気が変わった。あれが本気なんだと思う。(逆転ゴール後の)キックオフのとき、本当に目つきが変わっていた」

 後半のレアルには、少なからず焦りや攻め急ぎが感じられた。思うに任せず、もどかしそうにプレーしていた。裏を返せば、レアルが「本調子」ではなかったにしても、「本気」ではあったことの証拠である。

 これこそが、今大会の決勝戦が単にスター選手を見るための「ショー」ではなく、純粋な「勝負」として十分に楽しめる試合となった理由だろう。MF永木亮太は言う。

「自分たちらしいサッカーが堂々とできた」

3 / 6

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る