レアルを追いつめた鹿島。
クラブW杯準優勝の真価はACLで問われる

  • 浅田真樹●文text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影photo by Sano Miki

 あわや世紀のジャイアントキリング(番狂わせ)、である。

 ヨーロッパチャンピオンのレアル・マドリード(スペイン)とJ1チャンピオンの鹿島アントラーズの対戦となった、今年のクラブワールドカップ決勝。2-2の同点で延長戦にもつれ込んだ熱戦は、クリスティアーノ・ロナウドの2ゴールにより、レアルが4-2で押し切った。



 柴崎の2ゴールで一度は逆転し、優勝をつかみかけた鹿島 柴崎の2ゴールで一度は逆転し、優勝をつかみかけた鹿島

 結果だけを見れば順当な結末ではある。だが、鹿島は前半9分という早い時間に先制されながら、同点どころか一時は逆転。その後、レアルに追いつかれてからも際どいチャンスを作り出した。世界を代表するトップクラブを土俵際まで追いつめた鹿島の健闘は、おおいに称えられるべきだ。

 クラブワールドカップはクラブ世界選手権としてスタートした2005年以来(単発で開催された2000年のクラブ世界選手権は除く)、今年で12回目の開催。そのなかでヨーロッパ勢が対戦相手にリードされたケースは5試合あるが、ヨーロッパ勢が先制しながら逆転されてリードを許したケースとなると、過去に例がない。

 ヨーロッパ勢が南米勢に決勝で敗れ、優勝をさらわれたことが3度あるが、スコアはいずれも1-0。前例に照らせば、実力上位のヨーロッパ勢に一泡吹かせるには、粘り強く守り、ワンチャンスを生かす――。道はこれしかなかったはずなのだ。

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