この日、金崎夢生はJリーグ史に名を刻む
「偉大なるヒール」となった (5ページ目)
年間勝ち点59の鹿島が、勝ち点74の浦和に勝利してタイトルを手中に収める。34試合に及んだ1年間のリーグ戦はいったいなんだったのか、という批判は当然あるだろう。大会前からそうした危惧があったのは事実で、だから、浦和が優勝したほうが自然な成り行きではあったし、鹿島をのぞく多くのサッカーファンも浦和の優勝を期待していただろうし、あるいはそうであってほしいと望んでいたはずだ。筆者も、誰もが納得するような大団円を求めていた者のひとりである。
しかし、どこまでも愚直な鹿島のエースは、まるで空気を読んでいなかった。大衆の願いをたったひとりで覆(くつがえ)した金崎夢生は、Jリーグ史に名を刻む「偉大なるヒール」となった。
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