福田正博が考える、「第2の久保建英」が
日本サッカー界に現れる条件 (3ページ目)
世界との戦いを見据えた時に、体格やスピードに差がある相手との試合経験を積むことも重要ではあるが、それは日本国内で育った選手の場合だろう。バルセロナのカンテラ(ユース組織)で技術を磨いた久保くんは、日常的に体格差のある選手たちとプレーしてきたことで、体の大きな相手をかわしたり、いなしたりする技術がすでに備わっている。
注目度が高い中でのプレーは、自分でも気づかないうちに強い負荷を肉体へかけるもの。彼のような才能溢れる選手を育成するうえで、一番怖いのはケガだ。10代のときに負った故障によって、その後の成長曲線が低くなるケースはよくある。Jリーグでのプレーは、身体が成長して、フィジカルを強化してからでも遅くはない。
久保くんは、2年後のロシアW杯のころに17歳、2020年の東京五輪で19歳、2022年のW杯カタール大会で21歳。さらに、その先までも見据えて、順調に成長を続けてほしい逸材だ。
また、久保くんや、レアル・マドリードのユースに所属する13歳の中井卓大くんらの存在によって、日本国内の「原石」への注目度も高まっている。彼らのような才能を持った子どもたちが、日本にもまだ埋もれているかもしれない。ただ、そんな選手がいたとしても、順風満帆のキャリアを築けるかといえば、国内では難しい状況もまだまだある。
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