福田正博が考える
Jリーグ放映権「2100億円」の有効な使い方
福田正博 フォーメーション進化論
Jリーグがイギリスの動画配信大手のパフォームグループとの間で、有料放映権を10年総額2100億円で結んだ。Jリーグにとって大きな転換点を迎えたといえるだろう。
新たに始まるスポーツ中継サービス「DAZN(ダ・ゾーン)」では、2017年からJ1、J2、J3のJリーグすべての試合が生中継され、スマホなどで視聴が可能になる。
スカパー!(今年が5年契約の最終年)が、これまで支払ってきた放映権料は1年あたり約50億円と言われている。今回の契約によってその約4倍の額をJリーグは手にするが、実際は契約料のすべてが懐に入るわけではない。DAZNでの中継用映像の制作はJリーグが担うため、そのコストを差し引いた分が、Jリーグの自由に使える金額になる。
それでも大きな金額であることに違いはない。Jリーグは2100億の使途について明示していないが、何に投資するかが今後のJリーグにとって重要になる。なぜなら、近年は潤沢な資金を背景に中東や中国のクラブが、世界各国の名の通った監督や、有力外国人選手を集めることで、自国サッカーの水準を大きく伸ばしているからだ。
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著者プロフィール
福田正博 (ふくだ・まさひろ)
1966年12月27日生まれ。神奈川県出身。中央大学卒業後、1989年に三菱(現浦和レッズ)に入団。Jリーグスタート時から浦和の中心選手として活躍した「ミスター・レッズ」。1995年に50試合で32ゴールを挙げ、日本人初のJリーグ得点王。Jリーグ通算228試合、93得点。日本代表では、45試合で9ゴールを記録。2002年に現役引退後、解説者として各種メディアで活動。2008~10年は浦和のコーチも務めている。